虹のまにまに・レイン

虹のまにまに・レイン【Many many rainbow-rain】 
(こちらはサテン地になります)

世界中の花々がフラワーショップを彩る現代においては
日本原産の花というのは、意外に少なかったりする。
表情豊かな紫陽花が、日本のそれだと知った時には驚きつつも嬉しかった。

小学生の頃、通学路の庭先に背丈以上ある紫陽花が茂っていた。
ある日、母親から”土壌が酸性かアルカリ性かで花色が変わる”と教わり
俄然実験したくなったが、その家の人達に会ったこともなく
見知らぬ大人に「花を分けて貰えませんか?」などとお願い出来る無邪気さも図太さもなく
学校の行き帰りに、悶々とその前を通るだけの日々が続いた。
もう花時も終わってしまいそうなある日、帰宅した私に母がレモンティーを淹れてくれた。
「やった!これや!!」と心の中で小躍りし、そっと輪切りのレモンを掌に偲ばせ
公園で遊んでくると言い残し、件の紫陽花まで一目散に駆けつけた。
これを地面に絞ったら・・・青いのがピンクに変わるのか・・・な・・・
でも、枯れちゃったらどうしよう?
来年咲かなくなったらどうしたらいい?
もしかしたら、責任の取れない大事になってしまうのかも知れない・・・
興味本位で迷わずに走って来たものの、勝手に色を変えてしまうかも知れないのは悪い事なんじゃないか?
家の人が出てきたらどうしよう?いや、出てきてくれたら話してみれば良いのではないの?
いえいえ、そんな無謀な提案を「ああ、いいわよ」と受けてくれる人が居ると思う?
グルグルと頭の中をGo!とNo!が駆け巡り、心臓がドキドキドキドキ逸った。
エイッ!!意を決し、紫陽花の根元に輪切りレモンをペタッと置いて、家まで走って帰った。

翌日も翌々日も、あれ如きのレモンで紫陽花はビクとも色を変えなかった。
あの日、家族に内緒で走って来た小娘の動揺を、紫陽花はきっとわかっていたのだ。

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一見気まぐれに染まるようで、その実確固たる意志を持つ。
物腰の柔らかさと、芯の強さはまるで日本の女性のよう。


生地の色合い、風合い等、それぞれのPCによって異なりますのでご了承くださいませ。
サイズ:45cm x 45cm

*こちらの商品はクッションカバーのみの販売となります。クッション本体は含まれません。
型番 C/#05レイン
販売価格
5,500円(税500円)
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