ド・レ・ミ・ファ・ソ♪・そば

ド・レ・ミ・ファ・ソ♪・そば【Don't let me far so-soba】 
(こちらはサテン地になります)

お蕎麦が好きになったのは18の時だ。

お出汁の美味しい麺類は幼い頃から好きだったが
中学生の頃に出来た四条河原町の百貨店の飲食街で
"さぬきうどん"なるものに出会ってからは
その魔法のようなコシの強さの虜になった。

18歳の時、所用があって父と繁華街へ出かけた。
昼時に何が食べたいかと尋ねられ、私は件の"さぬきうどん"屋さんを提案した。
「よっしゃ行ってみよか!」と快諾してくれた父と飲食街へのエレベーターに乗り込んだ。
と、エレベーター内のフロアガイドを目で追っていた蕎麦好きの父が
「お、老舗の蕎麦屋もあるなら、今日は蕎麦やな。」と、まさかの心変わり。
お蕎麦も、まぁ好きだし、良いか・・・くらいの私だったが
そこでいただいた天ざるも、初めて飲んだ蕎麦湯も実に美味しかった。
「蕎麦と蕎麦湯の旨さがわかったら、お前も一人前やな。」と父は嬉しそうに笑った。

父が逝く前の一ヶ月間。私は昼食のほとんどをざる蕎麦にした。
私が食べたお蕎麦を繋いだその手から味わってくれる気がしたからだ。

何が出来るわけでもないけれど、私は両手で父の手を包んで
父の好きな歌を子守歌代わりに口ずさんだ。
父の指先は、弱く、でも狂わないリズムを刻んでいた。
4曲目くらいで唇の両端がふわっと緩んでやさしい顔になり
苦しそうだった息づかいは、すぅーすぅーと規則正しい寝息にかわった。
悲しい時、寂しい時、恐れをなした時は、歌えば良いと昔誰かに教わったっけ・・・

そばに居ることと、心がそばに在ることは確実に違っている。
どうか逝かないでくれと祈っても願っても念じても
きっとあなたは逝ってしまうのだろうと知りつつ
医学や科学の届かないところで、個々の祈りは密やかに通じていることが
世の中には在ったりするようにも思う。
そう祈れば、願えば、歌えば。ほら、私達はそんなに遠くない。

* * * * * * * * * *

悲しさにつぶされそうな時に、ふと
“Don’t let me・・・”と”ドレミ・・・”、”蕎麦”と”傍”の重なりに気づき
救われた気分で大笑いして元気になって生まれた柄です。
皆さまにも、笑顔になっていただけますように☆



生地の色合い、風合い等、それぞれのPCによって異なりますのでご了承くださいませ。
サイズ:45cm x 45cm

*こちらの商品はクッションカバーのみの販売となります。クッション本体は含まれません。
型番 C/#20そば
販売価格
5,500円(税500円)
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