灸花パラピロ

灸花パラピロ【pa-la-pi-ro】
(こちらはサテン地になります)

春に奇妙な蔓を伸ばし、初夏に可憐な白い花をつける乙女鬘。
風情のあるその風貌からは縁遠い”屁糞かづら”なんて不名誉な名称は
千切ると蔓や葉や花全体から放たれる匂いに由来するらしい。
昔、その話を母から聞いたときに、あまりにも不憫だと感じたものだ。

多くの異名をもつこの花だが、私は灸花という呼称が一番相応しい気がしている。

同居していた祖母から「灸(やいと)据えてんか」と、艾(もぐさ)のお灸係りを任命され
祖母の部屋で首筋や背中の焦げた痕のあるツボにお灸を据えた。
よもぎを乾燥させてフカフカとほぐした繊維を丸め火をつけてツボを温める。
「熱ないの?痛ないの?」と問う孫に、「じわ〜と熱ぅなるのが気持ちええのんや」と
至福の表情で答える祖母。
畏れながら見つめた燃える芯の紅が、まさに灸花だな・・・と思う。

近所の踏切近くの茂みに灸花が群生しており、器用なまでにパラピロパラピロと蔓を伸ばし
稚児笹に絡みつきながら生きながらえる。気ままなようで策略家。
花季の愛らしさもさながらのこと、秋も深まる頃に粒々と実をつけ、そのまま枯れていく様も見ものなのだ。


生地の色合い、風合い等、それぞれのPCによって異なりますのでご了承くださいませ。
サイズ:45cm x 45cm

*こちらの商品はクッションカバーのみの販売となります。クッション本体は含まれません。
型番 C/#65 ミントブルー
販売価格
5,500円(税500円)
購入数