柘榴笑む

柘榴笑む【ZAKURO】
(こちらはサテン地になります)

生まれ育った実家は、元々は茶畑だった農地を宅地造成し売りに出されたところらしい。
私の記憶では1970年代ごろから急激に増えた建売住宅ほど画一化された、住宅が並んでいる町内ではなかったが、ほぼ同時期に購入し、住居を建てたのだろう印象は材料の使い方や、色使い、外観から何となく想像できる間取りや家全体の佇まいから見て取れた。

そんな町内から隣の町内へ一歩踏み出す位置に、大きな農家さんがあり
そこは既にかなりの歴史を刻んだ日本家屋で、庭に立派な柘榴の木が在った。
その木は、割と背の高い木だったので遠目にしか花を眺める機会もなかったが
綺麗な橙色の花に身惚れたり、道端に落ちた剽軽なタコウインナーのような萼で遊んだりしながら、ある日気づくと丸々した実が裂けて、ルビーの様な粒つぶが溢れ出す。
そうすると皇族の御陵でもある、近所の垂水山辺りに棲んでいるカラス達が目敏く柘榴を突きに来る。観賞用の庭木として植っていたのか…農家さんが収穫していたり、カラスを追っ払っているところにも遭ったことがない。
昔のカラスは、こんなに美味しい果実に恵まれていたから、わざわざゴミ袋を破って残飯を漁る必要もなかったのかな?と思い至る。

大きく笑って「ほら、食べ頃よ!」と実を差し出す柘榴も、我関せずの農家さんも大らかだったんだな

生地の色合い、風合い等、それぞれのPCによって異なりますのでご了承くださいませ。
サイズ:45cm x 45cm

*こちらの商品はクッションカバーのみの販売となります。クッション本体は含まれません。
型番 C/#55 モス
販売価格
5,500円(税500円)
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